東京ハードボイルド生活

映画・演劇・ドラマ・本など、日常生活で触れたものを紹介していきます。

「永い言い訳」

f:id:aquarius2:20210530145738j:plain

「すばらしき世界」→「ゆれる(映画)」→「ゆれる(小説)」と流れてきて、すっかり西川美和監督作品の虜になってしまった。今回は2016年の「永い言い訳」をDVDにて鑑賞。

状況設定など序盤のシーンで無理なく把握でき、さすがだなあと思っていたら、すぐに深津絵里さんが亡くなって、これからどういう流れになるのだろう?(あらすじなどの情報は全くない状態で観始めた)と心配になったけど、終始惹きつけられる見事な展開だった。

とにかく俳優が素晴らしい。そして子供の演技が自然なのは是枝監督と同じ手法なのだろうか。子供が演技をしている感じがなく、そのままの状態で、ただそこにいるように見えた。

自分の身近な人が突然死んでしまうという出来事に対するリアクションはとてもリアルで、それをクズという人もいるけど、人間そんないい人ばかりじゃない。みんな後ろめたいこともあるし、心が狭かったり、だらしなかったりするはずだ。

印象的なシーンはたくさんあるけれど、観終わっていちばん深く残るのが、冒頭のモックンと深津絵里さんのやりとりだ。この夫婦の関係性が手に取るように感じられ、しかも情報過多ではなく、もう少し知りたい、と思うくらいの塩梅。後々のシーンにとても重要な意味を持ってくる。それに気付いたときに、ハッ!として、震えた。観終わってここだけすぐにもう一回観たくなる。

次は何にしようか…楽しみ。